[時事]ヨーロッパなのに!?イギリスがTPPへ加盟した背景と将来展望

こんにちは、ランドアルファです!
2023年3月31日、日本を始めとする11か国のTPP加盟国はイギリスの加盟を認めることで合意しました。今後は協定の細部などを詰めた上で、7月にニュージーランドにて開催される”TPP委員会”で正式に署名する見通しです。イギリスは、2020年12月に欧州連合(EU)から離脱しました。これにより、イギリスは他国と自由に貿易協定を締結できるようになりました。そのため、EU離脱のメリットを生かすべく、欧州以外の経済関係を強化する目的で、2021年よりTPPへの加盟を申請していました。
一体、イギリスがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に加盟する背景には、どのような思惑があったのでしょうか?この記事では、イギリスがTPPに加盟する背景と今後の展望について詳しく説明したいと思います。

イギリスがTPPへ加盟する4つの背景

1.国際的な立場の向上

イギリスは、EU(欧州連合)からの離脱後、国際社会での地位向上を目指していました。TPPは、アジア太平洋地域を中心に世界的な貿易ルールを確立することを目的とした協定であり、イギリスが加盟することで、国際的な立場の向上が期待されます。

2.アジア太平洋地域市場の開拓

TPPには、アジア太平洋地域の国々が加盟しており、イギリスが加盟することで、この地域の市場にアクセスすることができます。この地域は、人口が多く、経済成長が著しいため、イギリス企業にとっては魅力的な市場となります。

3.米国との関係強化

TPPには、今後、アメリカ合衆国が復帰する可能性があります。イギリスは、アメリカとの関係を重視しており、TPPに加盟することで、アメリカとの関係強化が期待されます。また、アメリカ市場へのアクセスも容易になるため、イギリス企業にとってもメリットがあります。

4.貿易の自由化による成長促進

TPPは、貿易の自由化を進めることを目的とした協定であり、イギリスが加盟することで、イギリス企業がアジア太平洋地域市場でのビジネス活動を促進し、成長を加速させることが期待されます。また、より効率的な貿易プロセスによって、イギリス企業はコストを削減し、価格競争力を高めることができます。

イギリスのTPP加盟による今後の展望

イギリスがTPPに加盟することで、アジア太平洋地域との貿易関係が強化されることが期待されます。イギリスは、日本との自由貿易協定(FTA)交渉に向けて既に動き出しており、TPPに加盟することで日本とのFTA交渉が更に進展することが期待されます。また、TPPに参加するアジア太平洋地域の国々とも貿易が拡大することが予想され、イギリス企業にとってもビジネスチャンスが増えることになるでしょう。

さらに、TPPには、世界的な貿易ルールの確立が目指されています。イギリスがTPPに加盟することで、世界中の国々との規制協力が可能になり、貿易ルールがより透明で公平なものになることが期待されます。また、TPP参加国間での技術や知識の共有が進むことで、新たなビジネスチャンスも創出されることが予想されます。

また、TPPには、環境・労働基準の向上が求められています。イギリスがTPPに参加することで、自国内の環境・労働基準をより高いレベルに引き上げることが期待されます。また、TPP参加国間での情報共有が進むことで、環境や労働基準に関する知識や技術の交流が進み、より持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進むことが期待されます。

まとめ

以上が、イギリスがTPPに加盟した背景と予想される今後についてです。しかし、TPPにはさまざまな論点があり、加盟によるメリットとデメリットを十分に検討した上で、各議題に対して結論を下す必要があります。ヨーロッパで初めてTPPへ加盟したイギリスが、今後、我々の生活にどのような影響をもたらすか注目していきたいところです。それではまた。